〜ショートドラマ『アナタの記憶、補います。』制作〜 ■脚本･演出担当：藤井幸恵 　（平成27年度放送学科2年／テレビ制作専攻）

　私は今回のドラマ制作で自分の視野の切り替えにとても苦労しました。作品の世界観や登場人物の感情をよりリアルに描くにはその作品の中に入り込む必要があります。しかし一方で、作品の意図や物語としての流れがぶれていないか俯瞰的に考えることも要求されることを今回の制作過程で学びました。
　そんな作品作りの難しさを知ることができた反面で、その楽しさややりがいを実感することもできました。それは最初は自分一人の頭の中で考えていた企画が、どんどん具体的に目に見える形になっていくということでした。企画会議では班員が私には考えつかないようなアイディアをたくさん出してくれたことで、脚本やカメラ割りのイメージがとても広がりました。
　現場では役者さんの演技が入ったことで、今まで脚本という紙の上での出来事だった作品に立体感が生まれました。「私のもの」から「員のもの」、「役者さんも含めたチームのもの」へと、作品が日に日に成長していくような感覚を味わうことができました。そのようにして作られた作品が世の中に出ることで、「視聴者のもの」へとまたさらに大きく成長していくのだなということを感じました。

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