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テレビ制作Ⅱ「ショートドラマ制作」 令和3年度 前期・授業リポート

『春雷忘れ、夏が立つ』

■脚本/演出:伊藤壮舞
 (令和3年度放送学科2年/テレビ制作専攻)
 今回のドラマ制作を経て、大きく二つのことを実感した。まず、一貫した演技指導の大切さである。フィクションにおいて登場人物の感情のグラデーションは、演技の変化によって表現される。瞬間的な表現をするのではなく、前後のテンション感を合わせた繋がる表現が求められる。次に、徹底した画作りの重要性である。中途半端な構成は相応のクオリティしか生まない。構図の意味を一つ一つ考え、基本の中で崩すという行為が求められる。音で繋ぐのか、動きで繋ぐのか、カットの仕方も重要である。また台本に落とし込んでいない表現やカットを柔軟に追加する意識を忘れてはならない。
 今回の作品では映像で語る部分、セリフで語る部分、受け手に想像させる部分を使い分けることを意識して制作した。映像作品を制作する上で、余白の残し方が重要になると思う。まずは自分が何を表現したいのか、表現にどんなメッセージを込めるのかという作品の核を捉え直すところから始まる。そしてそのメッセージを映像化した時に受け手との繋がりを意識する。物語を抽象化し、自分自身に立ち返って鑑賞するための余白が必ず必要になる。一方でストーリーが一つの流れとして受け手に伝わらないと意味がない。時間経過や心理描写など、説明的描写と余白の狭間で適切な表現方法を探し続けなければならない。


病室での撮影風景


撮影前、出演者の方に演技指導するディレクター


部屋での撮影風景


真剣な眼差しで撮影に臨む女性カメラマン


撮影終了後、出演者、スタッフ一同でマスクを外して記念撮影